
ぼくが写真と出会ったのは21になるかならないかの頃だった。他大学に通っていた友人が写真部に入っていて、部活動の一環で写真展をするから観に来てほしいと言われて言ったモノクロ写真の展示がきっかけだった。今となっては学生たちの写真がどれほどの腕前だったのかはさっぱり思い出せないけれど、当時のぼくにとってはそれはそれは衝撃的な光景だった。こんなにも心が揺さぶられるものがこの世にあったのか、と展示を観終わった後に友人にとても興奮した状態で話したのを覚えている。それからもう20年が経とうとしている。今だにあのときの興奮は衰えることはない。子供の頃は何も長続きしなかったぼくが唯一続けていることが今では仕事になっている。こんなに嬉しいことはない。